信州アンチエイジング食と蕎麦
信州・長野県は、現在、平均寿命ランキングでは常に上位をキープし、2013年の厚生労働省の発表では、男女とも、平均寿命が全国一位とされ、『長寿県のモデルケース』として様々な分野から注目を浴びています。
そんな長野の食の名産品というと、そば、野沢菜、味噌、りんご・ぶどう・ブルーベリーなどの果物です。また、野菜では、レタス・白菜・アスパラガス・エノキダケなど、全国一位の生産量を誇るものが多くあります。そして、実は、この名産品の中には、多くのアンチエイジングフードが含まれているのです。
りんご・ぶどう・ブルーベリーなどの皮に含まれているポリフェノールは、老化を促進する活性酸素を防ぐ抗酸化作用や抗炎症作用があり、身体が錆びないように守ってくれますし、発酵食品の味噌は、腸内環境を整えてくれる効果があります。また、長寿日本一である長野県では、野菜の摂取量も日本一ということから、漬物などで塩分を比較的多くとる県民性ではあるものの、野菜を多く摂ることで、野菜の中のカリウムを摂取し、ナトリウムを上手に排出しているからではないか? など、長野県の食と健康長寿の関係の研究も進められています。
そして、長野県で特徴的に食されている食品が、野菜に加え、『そば』『きのこ』『豆類』といわれています。
その中でも、信州の食というと『そば』を連想される方が多いのではないでしょうか?
昔から長野県は、平地が少なく比較的痩せた土地が多く、夏でも涼しいことなどから、環境的に米作りより、そばなどの雑穀の栽培が盛んだったようです。また、そばは穀類の中でも、タンパク質やビタミンB1、ビタミンB2、食物繊維などが豊富であり、まさに健康食だったようです。
ここで、少しそばの健康効果についてご紹介いたします。そばは、先にも述べたように、タンパク質やビタミン類、食物繊維などに富んだ栄養豊富な穀類で、生活習慣病の予防・改善効果や便秘解消効果があります。また、そばに含まれるルチンは、赤ワインなどに含まれるポリフェノールなどと同様に、抗酸化作用があり、血管の強化や血流を改善する働きもあることから、高血圧の予防や動脈硬化の抑制に効果が期待できます。また、ビタミンCの吸収を助けるため、美肌効果にもお勧めの食材です。
さらに、そばに含まれている亜鉛は、新陳代謝を促進する働きがあり、記憶力の向上や、加齢などによる味覚障害の改善にも効果が期待できます。
私も幼いころから長野県に住んでおりますが、食卓にはそば粉のお菓子やおやき、漬物などが並び、お茶を飲みながら、そのうちならではの漬物の作り方や畑で採れた野菜を使った保存食の作り方などをおばあちゃんたちやお母さんたちが集まり教えあっている光景を目にすることがありました。
今でも、祖母の友人だった現在85歳の方とお付き合いさせていただいておりますが、庭に咲いたお花やご自分で作った料理を持ってお茶を飲みにいらっしゃいます。大先輩から信州の慣習や季節に合った風土食を教わったり、人生を明るく楽しく生きるヒントをいただいたりと、私にとって、とても貴重なひと時です。
その方は、足はだいぶ弱ってしまったものの、それでも台所には座って家事ができるように専用の椅子を用意し、一緒に暮らしていらっしゃる娘さんご夫婦やお孫さん方が働いて帰ってこられた時のために、温かい料理を毎日用意して待っているのが日課です。お孫さんの「うまい!!」の言葉が励みになり「元気で毎日過ごせる素だ」というその笑顔と、責任を持って働き続けるという姿勢が、信州の長寿の秘密のひとつではないかと私は思います。信州の食材とそれを囲む笑顔の食卓が、健康長寿につながるのではないでしょうか?
アンチエイジングフードマイスター・倉島のぞ美先生監修レシピ
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