2014/10/10
【スタッフlog】
ニッコクグラフ第21号 ~知らずに悔しい、はやそばの話~
こんにちは、にっこく写真部・部長でございます。
9月中旬。
仲間内でとある居酒屋へ
いつも通り、酒を酌み交わし酔いも回り始めたころ、こんなことを聞かれました。
「長野で美味しいそば屋は多いが無形民俗文化財になっている、『はやそば』を食べた事が有るか」
弊社・インターネットサイトの「季刊そばの国だより」には、「はやそば」の話題を載せていた記憶が有りましたが、
私は実際食べた事がありませんでした。
★☆★「はやそば(早蕎麦)とは」★☆★
長野県栄村秋山郷と山ノ内町須賀川に伝わる、ゆでた千切り大根に水溶きそば粉をからめた全国的にも珍しい郷土食。早蕎麦と呼ばれるのは簡単に短時間でできる故。
(季刊そばの国だよりの記事はこちら)
酒席の場で「勉強不足なんじゃないの」と言われ、恥ずかしいやら悔しいやら。
そば談義に花が咲きましたが途中からお酒の量が一定量を超えたので自分で何を言ったのか、何を聞いたのかよく覚えていませんがとにかく悔しさを残したままその日は帰宅。
翌日早々インターネットで「はやそば」について調べ、その週末に妻と、はやそばを食べに行きました。
道中、少し寄り道。
にっこく写真部としては周辺に何処か良い、撮影スポットがないかと探していると隣の木島平村(やまびこの丘公園)にてダリア祭りが開催されているとの情報を入手。
木島平のダリア祭りは午前中に回り、大変良い写真が撮れ大満足。ご覧の通り、当日は秋晴れで色鮮やかな花々が一面咲き誇り、いつまでも見ていたい素晴らしい風景でした。
そして本来の目的地、そば専門店「栄忠」さんへ(13:30到着)
私は はやそば御前を注文。写真左下の大きな器が「はやそば」です。
妻はもろそばを注文。
ご覧の通り、どちらもすごいボリューム。
見てびっくり、大食いの?妻も残すぐらいの量で大満足の1日でした。
これが「はやそば」かと納得・勉強をさせていただいたと共に大変すばらしい信州の秋の一日でございました。これで仕事仲間とも、より熱いそば談義が出来そうです。
皆様も信州へお越しの際は是非この「はやそば」をお試しください。
ついでにそばの話をもう一つさせてください。
そばは「つなぎ」を使って麺にするのが一般的ですがその材料も地域によって様々。
舞台は新潟県。(今回は信州のお隣へ)
一軒目は十日町市でいただいた「フノリ」を使う「へぎそば」。
二軒目は津南町でいただいた「フノリ」と「オヤマボクチ(山ごぼう)」を使うおそばです。
先日、出張で新潟方面に行く機会があり新潟県・十日町市の名代由屋さんで「へぎそば」をいただきました。
「へぎそば」は「フノリ」をつなぎに使う新潟県魚沼地方(十日町市を含む)が発祥とされるおそばです。
「フノリ」とは海藻の一種で乾燥させてさせたものを数分間水に浸して戻し、そばの「つなぎ」に使います。
お店の入り口にはなぜかウルトラマンがお出迎え。これは何の為にあるのでしょうか。インパクトがあって絶対忘れませんね。
さて、肝心のおそばです。
見るも鮮やか、みずみずしいおそばです。早く食べてみたいと思う気持ちを抑えてシャッターを切る。
この美味しさ、どう伝えて良いのか。
言葉選びに苦労しますがツルツルで腰が強く、のど越しの良いとても美味しいおそばでした。
続いては新潟県中魚沼郡津南町に有る、かねさま蕎麦津南駅前店さんです。
こちらのおそばの「つなぎ」は「フノリ」と「オヤマボクチ」を前述の通り使用しているとのことです。
普段よく食べる「小麦粉」をつなぎにしたおそばの食感とも違い、柔らかくも、硬くも無くツルツルのど越しの良いおそばでした。
「つなぎ」の違いは気候や風土、地域性が関係しているのではと帰路考えさせられました。
一軒目の十日町では「フノリ」を使う「へぎそば」、南へ来た津南町での二軒目では「フノリ」と「オヤマボクチ」を使う。
津南の更に南の長野県飯山市には「オヤマボクチ」のみを使用した「富倉そば」。
色々調べたら何かもっと面白そうだと感じました。
一口に「そば」と言っても本当に奥が深い。
そば粉、つなぎ、食べ方・・・。色々の違いを楽しめるのも「そば」ならではの楽しみの一つではないかと改めて関心致しました。
以上、次回をお楽しみに。