24. にしんそばは京育ち
- 信州生まれの京育ち、
二つの文化のおいしい融合「鰊(にしん)そば」。 - 約120年前の京都で身欠き鰊を甘辛く煮付けたものをそばの具にした店が現れ、これが「鰊そば」のはじまりと言われます。山に囲まれた京都中心部は新鮮な魚が入ってこなかったため「棒だら」や「身欠き鰊」など保存の効く魚が昔から多く用いられていました。京都中心部の人々にとって食べなれた身欠き鰊をそばにのせるというのはごく自然な発想だったのかもしれません。
そばと鰊の味の相性は周知のとおり、加えてこの組み合わせは栄養的にもたいへん優れています。東男に京女ではありませんが「鰊そば」は信州生まれの素朴なそば切りと京の都育ちの身欠き鰊の相思相愛で生まれた味の産物です。二つの文化の融合こそ今なお全国で親しまれている所以でしょう。 - (2004年6月掲載)
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